眠狂四郎無頼剣

眠狂四郎無頼剣」、市川雷蔵天知茂ほか出演、三隅研次監督、大映 1966

これが第八作。敵は大塩平八郎の残党、愛染(天知茂)。いままでの敵役の中では一番かっこいい。ピストルも使うが、なんと狂四郎と同じ円月殺法を使う。愛染一味の目的は大塩の復讐と世直しで、石油を精製して灯油をつくる製法をタネに大塩を騙した油問屋を襲って火をかけては江戸を大火にし、さらには老中水野忠邦も斬ってしまおうというもの。まあ革命家というかテロリストである。藤村志保が出てくるが、お姫様とかではなく、女芸人というか泥棒である。今回はエロは一切なし。
とにかく脚本がよく練られていて、これまでの眠狂四郎ものの中でも屈指の出来。愛染は最後に円月殺法同士で対決して、当然斬られてしまうのだが、死に方もかっこいい。しかし狂四郎の台詞に「江戸八十万庶民」とあるが、天保あたりでも町人人口は60万人くらいのはずだが・・・。それはまあいいとして、愛染が同じ円月殺法を使うと言うことは、眠狂四郎と愛染は共通の師匠?でもいたのだろうか。劇中、愛染が円月殺法を使うことに狂四郎が驚く場面が出てくるので、そのあたりがますますよくわからない。