下妻物語

下妻物語嶽本野ばら小学館、2002

これはかなりおもしろかった。実はわたしはこの本に登場するアイテムのほとんどに全くなじみがなく、ロリータ・ファッションとそのブランド、ヤンキー、暴走族の改造バイク、パチンコ、刺繍、下妻市と知らないものだらけ(尼崎市はちょっとは知らないことはないが、「ガラの悪い町」という程度)である。しかし、話にはスッと入っていけるし、十分楽しめた。最後のイチゴのリンチを桃子が原チャリとヨーヨーを投げつけて救う場面は、苦笑すると同時にちょっとうるっときた。桃子とイチゴの主人公二人のキャラが魅力的で、話がウェットでない。終わりも気持ちよい。『変身』ほどには魅力を感じないが、十分佳作だと思う。
映画版は見ていない(知り合いが「B級」と評していたので)が、かなり見る気になってきた。機会があればDVDを借りてくるかもしれない。