兵隊やくざ強奪

兵隊やくざ強奪」、勝新太郎田村高廣主演、田中徳三監督、大映、1968

兵隊やくざシリーズの八作目。だんだん見るのも疲れてきたが、あと一作なので根性で見てみる。前作で終戦を迎え、有田と大宮は日本をめざすのだが、途中で敗戦を信じないキチガイ中隊長だとか、共産軍の10万ドルをネコババしようとする将校や兵隊、金を取り返そうとする共産軍、いろんな連中が現れてかんたんに二人を逃がしてくれない。ちょっと納得がいかないのは、共産軍の10万ドルを大宮が取り返してやるくだり。これまでの作品での大宮と有田は「どうしようもなく可哀想な側の味方」ということでやってきたのだが、金を奪われた共産軍は果たしてその「可哀想な側」なのか?佐藤友美(共産軍の将校)が説得するとあっさり大宮が納得するあたりもちょっと合点がいかない。大宮が、佐藤友美にキスしようとしたところでカットされる場面は、大宮の気恥ずかしさが出ていて気持ちいいけど。
別れ別れになった有田と大宮が再会する場面はちょっと涙もの。最後は赤ん坊を助けたあげく、帰国船に乗り損なってしまう二人なのだが、このエピソードはちょっとさわやかでよい。話はこれでひとくぎりついているのだが、最後の一作はどうなっているのだろうか。