アンテナ

「アンテナ」、加瀬亮小林明美主演、熊切和嘉監督、オフィスシロウズほか、2003

田口ランディの原作は未読。幼い頃に失踪してしまった妹、そのことで罪悪感にさいなまれる主人公、宗教に入れ揚げている母親といった道具立てで話が進む。主人公はSMの女王様に出会うことで自分の中の「アンテナ」を開いていくのだが、このへんの描写はほんとに痛そう。女王様に激しく痛めつけられることで、自傷癖はおさまっていくのだが。まあ熊切和嘉だから・・・。女王様に媒介されて、主人公は昔のいろんなことを思い出していくが、この記憶のひとつひとつが、切実に痛い(こっちは肉体的な意味じゃなく)。かなり自分の神経をやすりでこするような準備がないと、見ていて非常につらい。かなり消耗した。加瀬亮をはじめ、役者はうまい。