鉄路の昭和史 昭和の乗客名簿

「鉄路の昭和史 昭和の乗客名簿」、クリエーションファイブ

昭和15年ごろから38年ごろまでの鉄道記録フィルムを編集したもの。ヒストリーチャンネルでやっているのを見た。昭和16年だと靖国神社に参拝する遺族用に仕立てられた列車が走っていたりする。占領下のマレー半島でのパーム椰子農園の輸送鉄道、ジャワの鉄道なんかのフィルムもある。軽便鉄道サイズの狭い軌道だ。昭和15年から21年あたりのフィルムだと、ナレーターの調子がほとんど似たような感じ。ナレーションの内容は戦争中と戦後では当然まるで違っているのだが、読み方がとても硬い、広報調になっている。それがだんだん時間がたつにつれて落ち着いた感じになっていくのがおもしろい。また、驚いたのは昭和35年のフィルムでも、列車の客車にドアがついておらず、客は半身が列車からはみだした格好でしがみついている。降りるのも窓から。このころの日本がまだ「発展途上国」だったことを実感。