いちご白書

「いちご白書」、ブルース・デイヴィソン、キム・ダービー主演、スチュアート・ハグマン監督、アメリカ、1970

この映画をはじめて見たのはいつのことだったか、学生のときだったかもしれない。クーネンの原作は未読。しかしこんなに気合の入った映画だとはまるで思ってなかった。サイモンとリンダのチャラチャラした部分しか記憶に残っておらず、最後の警官隊の弾圧のクライマックスが記憶にない。しかしこの最後の部分はいい。学生が何重にも輪をつくって、地面に伏せて歌っているのを上から撮っているアングルがいい。それをガス弾を撃ちこんでから一人一人ごぼうぬきにしていく中で輪がバラバラになっていく演出がしぶい。最後にサイモンが警官隊の警棒の群れにジャンプしていく場面はなんともいえない。ラブアンドピースというのがただのヘナチョコなスローガンではない、ということのするどい表現。