中年童貞

渡部伸『中年童貞』、扶桑社新書、2007

話題の「中年童貞」本。第一章は「中年童貞」についての統計(未婚率、出生動向基本調査など)がとりあげられているのだが、統計の読み方に問題があり、ほとんど空振り。後の章は「日本童貞連合」に集う人たち、ナンパ塾のようす、室井佑月、フェルディナント・ヤマグチとの鼎談、著者の告白体験、といった内容。
おもしろさとしては微妙だが、著者のまじめさ(写真入り。見た目はごくふつうの感じ)、真剣さは伝わってくる。ふつうに童貞の人(「日本童貞連合」など作っている時点でふつうとはいえないかもしれないが)に小谷野敦のような「芸」を求めても無理だし、これはこれでいいんじゃないかと思う。しかし室井佑月も本文中でいっているのだが、著者程度のもてなさだったら、多少の努力でなんとでもなるような気がするのだが…。