坂の上の雲

司馬遼太郎坂の上の雲(六)』、文春文庫(新装版)、1999

というわけでいきなりコレです。そんなもの今頃読んでいるのかといわれそうですが、ほんとに読んでいませんでした。司馬遼太郎は主に戦国もの、それから維新ものでは例外で新選組ものしか読んでいなかったのです。

で、とりあえず六巻まで読んでいます。で、どうかということなのですが、実はいままで日露戦争史に関する本をちゃんと読んでいないので(戦争の展開について)、その部分は勉強になっています。特に陸戦史は奉天会戦以外ほとんど知らなかったので。

しかし、いい年こいてから読んでいるせいかもしれないのですが、読み物として非常におもしろいことは事実として、どうも読んでいてひっかかる部分が続出するんですよね。司馬遼太郎によくある「物事の原因を民族性に帰着させる傾向」とか、明石工作に対する評価とか。さらに乃木司令官に対する評価も、すでに兵頭二十八による別の評価を読んでいる分、素直に受け取れません。

要するにおもしろく読めるんですが、素直に感動できないんですよ。『燃えよ剣』とか『覇王の家』なんかだとそんなことはなかったんですが・・・。高校生くらいのときに読んでいれば、もっと素直に感動してサクッと入れ込めたと思うのですが。結果的にどっちがよかったのかはわかりませんけどね。
いちおう最後の八巻まで読んでからあらためて読後感を書いてみたいと思います。