新選組始末記

新選組始末記」、市川雷蔵主演、三隅研次監督、大映、1963

自分の備忘録を敬体で書くのもおかしいので、文章を常体に直す。

さて、子母沢寛の原作は読んでいたが、この映画は時代劇専門チャンネルで録画したまま放置してたのを今頃見てみた。結果から言うと、駄作。

ストーリーは芹沢鴨田崎潤)の粛清から、池田屋事件まで。市川雷蔵の役が山崎烝だというのにまず驚く。まあそれはいい。けど、山崎烝が甘く描かれすぎ。山崎は峻烈をもって鳴る新選組の監察でしょうが。藤村志保といちゃついたり、妙な正義感を振り回したり、青二才のようなことしか口にしないなど、ちっとも山崎らしくない役作りになってしまってる。脚本の時点でコケてます。

天知茂が土方役で、かなりあくどいが、こっちはかなりいい。山崎は監察として土方に直属していたので、山崎がことあるごとに土方に逆らうのはどうもおかしいが、土方の描き方は新選組らしさがいい意味で出ている。池田屋事件をめぐって近藤と土方が対立し、最後に土方が山崎の判断を認めて大団円というラストは安直だけど、まあ90分の映画をまるく納めるということでこんなもんでしょう。しかしDVDに焼くほどの映画じゃなかった。DVD1枚損した。