#経済学

雨の降る日曜は幸福について考えよう

橘玲『知的幸福の技術』幻冬舎、2009 2004年に出た「雨の降る日曜は幸福について考えよう」を改題した本。全半部分は、もとは日経日曜版の連載で、資産選択や資産形成についての内容が中心。 後半部分は、政策論、正義論のような内容。著者のリバタリアニズ…

共産主義批判の常識

小泉信三『共産主義批判の常識』新潮文庫(響林社)、1949 有名な本なので、一度は読んでみたいと思っていたが、これは著作権切れか、復刻版が出ていた。これは名著。 小泉信三、基本的にリベラリストで反共の人だが、この本の共産主義批判は、包括的で、議…

戦略的思考の技術

梶井厚志『戦略的思考の技術 ゲーム理論を実践する』中公新書、2002 ゲーム理論の入門書。一切数式は使わず、事例だけで書かれている。その分、非常にていねい。 戦略、先読み、不確実性、インセンティブ、コミットメント、ロック・イン、シグナリング、スク…

さっさと不況を終わらせろ

ポール・クルーグマン(山形浩生訳)『さっさと不況を終わらせろ』早川書房、2012 アメリカの現下の不況に対する対策を簡単に正面から論じた本。結論は、「政府は大規模な財政支出を行え。今の財政支出は低すぎる。増税や支出削減は論外」、「金融は緩和を維…

海賊の経済学

ピーター・T・リーソン(山形浩生訳)『海賊の経済学 見えざるフックの秘密』、NTT出版、2011 翻訳者推薦の経済学書リストにこれが上がっていたので読んでみたが、非常におもしろい。18世紀から19世紀の海賊の行動を経済学的手法で分析しようという本。トリ…

政権交代の経済学

小峰隆夫(編著)『政権交代の経済学』、日経BP社、2010 民主党政権前後の経済政策を、経済学の一般的な概念を使って説明する本。第1部は、二大政党制下の政策接近、政治的景気循環、共有地の悲劇といった概念を応用して、民主党政権の政策を解釈し、第2部は…

資本主義はなぜ自壊したのか

中谷巌『資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言』、集英社、2008 いろいろなことが言われている本なので読んでみたが驚いた。中谷巌はほとんど経済学者じゃなくなってる・・・。まず何を結論にしたいのか、よくわからない。「小さな政府が必要」とい…

経済倫理=あなたは、なに主義?

橋本努『経済倫理=あなたは、なに主義?』、講談社、2008 これは非常に「あたり」の本。タイトルには「経済倫理」とあるが、それを中心にして、広く社会、政治思想も含む広い範囲での社会思想の入門書。この本が類書と違っているのは、さまざまなイデオロギ…

なぜ世界は不況に陥ったのか

池尾和人、池田信夫『なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学』、日経BP社、2009 現在の不況を題材にした経済学者2人の対談本。経済学の知見を使って、不況の発端から、拡大へのプロセスをていねいに説明することに多くの紙幅が割かれている…