#哲学

みんなちがって、みんなダメ

中田考『みんなちがって、みんなダメ』KKベストセラーズ、2018 中田考が、イスラムをベースに、人と社会の関係を語りおろした本。非常におもしろい。著者の、『私はなぜイスラム教徒になったのか』の姉妹編のような本。 著者は、人間にはみな価値がない、と…

保守主義とは何か

宇野重規『保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで』中公新書、2016 評判の高い本なので読んでみたが、やはりよい本。きちんと書けている。バーク、エリオット、ハイエク、オークショット、フリードマン、ノージックを保守主義の系譜として捉え、…

アナキズム入門

森元斎『アナキズム入門』ちくま新書、2017 著者は、大学の非常勤なんかをしながらアナキズム研究をしている人。取り上げているのは、プルードン、バクーニン、クロポトキン、ルクリュ、マフノ。前の3人は普通だが、後の2人は、著者の関心で取り上げた人。 1…

勉強の哲学

千葉雅也『勉強の哲学 来るべきバカのために』文藝春秋、2017 著者は哲学者。ドゥルーズとガタリが専門の人。立命館大学准教授。 この本は、著者流の、「勉強マニュアル+勉強するということの考え方」。まあ、おもしろい。 勉強するということは「変身」す…

暴力はいけなことだと誰もがいうけれど

萱野稔人『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』河出書房新社、2010 これは河出書房新社の「14歳の世渡り術」シリーズの1冊。辛酸なめ子の『女子の国はいつも内戦』と同じくくり。 趣旨は、「暴力はいけないとは決めつけられない。時と場合によるとしか…

愚民文明の暴走

呉智英、適菜収『愚民文明の暴走』、講談社、2014 呉智英と適菜収の対談。自分は適菜収の本を読んでいないので、こっちのほうはほとんど知らない。しかし、基本的に呉智英と非常に意見が近い人。これなら対談しても話は合うだろう。あとがきを読むと、呉智英…

暇と退屈の倫理学

国分功一郎『暇と退屈の倫理学』朝日出版社、2011 著者はスピノザ研究者。この本では、ハイデガーが5章、6章で集中的に取り上げられ、ハイデガーの退屈に対する概念が追究される。ハイデガーの議論は、自分が本来持っているはずの自由に目を向けない人間が退…

自由はどこまで可能か

森村進『自由はどこまで可能か リバタリアニズム入門』、講談社現代新書、2001 日本ではあまり人気のないリバタリアニズム。すでに評価が高い本だが、この本はリバタリアニズムの紹介にとどまらず、リバタリアンの革命宣言書のようなもの。著者は、自身がリ…