京都 ふしぎの宿の物語

「京都 ふしぎの宿の物語」、NHKBSプレミアム、2016.4.30


NHKで放送していた、京都の旅館「俵屋」のドキュメンタリー。3月に放送したものの再放送。

この旅館は18室しかなく、超高級クラスの宿で、ふつうに予約を取れるようなところではない。構成に、作家のフレデリック・ルパージュが入っていて、客から見て、この旅館のどこが魅力的なのか、ていねいに描いている。

超高級旅館だからできるのだが、ここの強みはスタッフの優秀さ。客室係は、客のことをよく見て、料理を出すタイミングを決めている。厨房スタッフは、料理をつくることを客室係の連絡で、一室ごとに決めている。18室の旅館なのに、スタッフは、20人ではきかないだろう。庭師や低木専門のスタッフもいる。

それを束ねている女将がまた出来た人物。短い言葉で、スタッフをきちんと掌握している。改装工事もきちんとした美意識で方針を決めている。経営者、マネージャーで、芸術家みたいな人。夫は、もう亡くなっているらしいが、写真家。

スタッフの給料と、建築、庭、材料費その他を考えると、宿代はタダ事では済まないはず。この番組では、当然そういう下世話な話はなし。