#政治学

朝日ぎらい

橘玲『朝日ぎらい』朝日新書、2018 これは、政治的、社会的イデオロギーを何が決めているのかという本。著者は心理学や生物学の本をよく読んでいる人なので、その分野の知見が豊富に反映されているが、ただの解説本というわけではなく、オリジナリティがある…

司法官僚

新藤宗幸『司法官僚 裁判所の権力者たち』、岩波新書、2009 瀬木比呂志『絶望の裁判所』があまりに衝撃的だったので、こちらも読んでみた。これは行政学者が、「外側から」迫れる範囲のぎりぎりのところまで、官僚機構としての裁判所の実態を追及した本。 内…

国家はなぜ衰退するのか

D.アセモグル、J.A.ロビンソン(鬼澤忍訳)『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』上・下、早川書房、2013 出版以来、やたら話題になっていたアセモグルとロビンソンの本、やっと読めた。やはり名著。 政治経済学、中でも制度論の立場から、経済…

人口から読み解く国家の興亡

スーザン・ヨシハラ、ダグラス・A・シルバ、ゴードン・G・チャンほか(米山伸郎訳)『人口から読み解く国家の興亡 2020年の米欧中印露と日本』、ビジネス社、2013 人口動態の変化がもたらす地政学的影響を、主に軍隊の人員調達を中心に幅広く考察した本。取…

世論調査と政治

吉田貴文『世論調査と政治 数字はどこまで信用できるのか』、講談社+α新書、2008 著者は朝日新聞社史編修センター員。98年以後は世論調査センターで調査の設計、実施に携わっていたとあるので、調査の専門家である。内容は、「調査を行う側からの、調査の内…

誰が太平洋戦争を始めたのか

別宮暖朗『誰が太平洋戦争を始めたのか』、ちくま文庫、2008 太平洋戦争の開戦責任論。基本的な主張は、官僚機構(陸海軍の統帥部)が作戦計画(この場合にはハワイ攻撃計画)を立て、政府(陸海軍省含む)は統一的な決定ができないまま、作戦計画に引きずら…