びわ湖ホールプロデュースオペラ 神々の黄昏

びわ湖ホールプロデュースオペラ

 

ワーグナー「神々のたそがれ」

 

ジークフリート:エリン・ケイヴス

ブリュンヒルデ池田香織

ハーゲン:斉木健詞

 

沼尻竜典指揮、京都市交響楽団

 

2020.3.8

 

この公演、コロナ騒動で中止になったのだが、それを全部(土曜日、日曜日とも)観客なしで、YouTubeで流してしまうという快挙。チケットは払い戻しなので、とてもふとっぱらな企画。土曜日の公演(チケットはこっちを買っていた)は見られなかったけど、日曜日の公演を観た。

 

非常によかった。最初は、オーケストラ、弱いかなと思っていたが、どんどん音が出ていた。歌手はとてもよい。7日土曜日のほうが、歌手が手厚いので、そっちがいいかなあと思っていたが、こっちを見られてよかった。序幕から、ジークフリートだけでなく、ブリュンヒルデもノリノリで、けっこう涙が出た。

 

2幕の「ホイホー」のところ、最後の三重唱も決まっていたし、なにより3幕の大団円は今まで見た、この曲の公演でも、一、二を争う出来。こんなにできているのだったら、本当に劇場で見られればよかった。

 

この放送はYouTubeで一度限りだが、後でDVDを発売するとのこと。これは買うわ。すごくたのしみ。

 

びわ湖ホールプロデュースオペラ 神々の黄昏

びわ湖ホールプロデュースオペラ

 

ワーグナー「神々のたそがれ」

 

ジークフリート:エリン・ケイヴス

ブリュンヒルデ池田香織

ハーゲン:斉木健詞

 

沼尻竜典指揮、京都市交響楽団

 

2020.3.8

 

この公演、コロナ騒動で中止になったのだが、それを全部(土曜日、日曜日とも)観客なしで、YouTubeで流してしまうという快挙。チケットは払い戻しなので、とてもふとっぱらな企画。土曜日の公演(チケットはこっちを買っていた)は見られなかったけど、日曜日の公演を観た。

 

非常によかった。最初は、オーケストラ、弱いかなと思っていたが、どんどん音が出ていた。歌手はとてもよい。7日土曜日のほうが、歌手が手厚いので、そっちがいいかなあと思っていたが、こっちを見られてよかった。序幕から、ジークフリートだけでなく、ブリュンヒルデもノリノリで、けっこう涙が出た。

 

2幕の「ホイホー」のところ、最後の三重唱も決まっていたし、なにより3幕の大団円は今まで見た、この曲の公演でも、一、二を争う出来。こんなにできているのだったら、本当に劇場で見られればよかった。

 

この放送はYouTubeで一度限りだが、後でDVDを発売するとのこと。これは買うわ。すごくたのしみ。

 

私が食べた本

村田沙耶香『私が食べた本』朝日新聞出版、2018

 

これは書評と著者の執筆に関するエッセイ本。『きれいなシワの作り方』より、こっちのほうがはるかに振り切っていて、おもしろい。

 

書評、解説で取り上げている本、自分が読んでいる本と一冊も重なっていない。あたりまえといえば、そうだが。しかし、取り上げている本のほとんどがセックスがらみ、性関係のものばかり。自分のことも書いている。著者は、「あなたのことについて書いてくれ」といわれても、それはかんたんにはできないが、「好きな本について書いてくれ」といわれると、聞かれてないことまで、何でも書いていしまう人。

 

後半は、自分が執筆した本や、群像新人賞三島賞芥川賞をもらったときのエッセイ。三島賞のほうが、エライような気がしていたが、芥川賞をもらったときの文章を読むと、ぜんぜんうれしさのレベルが違うようで、「夢のような特別の夜」と書いている。

 

たぶん、ラジオとか、トークショーはあまりやらないのだろう。本に注力してくれればこちらはうれしいけど。

 

私が食べた本

村田沙耶香『私が食べた本』朝日新聞出版、2018

 

これは書評と著者の執筆に関するエッセイ本。『きれいなシワの作り方』より、こっちのほうがはるかに振り切っていて、おもしろい。

 

書評、解説で取り上げている本、自分が読んでいる本と一冊も重なっていない。あたりまえといえば、そうだが。しかし、取り上げている本のほとんどがセックスがらみ、性関係のものばかり。自分のことも書いている。著者は、「あなたのことについて書いてくれ」といわれても、それはかんたんにはできないが、「好きな本について書いてくれ」といわれると、聞かれてないことまで、何でも書いていしまう人。

 

後半は、自分が執筆した本や、群像新人賞三島賞芥川賞をもらったときのエッセイ。三島賞のほうが、エライような気がしていたが、芥川賞をもらったときの文章を読むと、ぜんぜんうれしさのレベルが違うようで、「夢のような特別の夜」と書いている。

 

たぶん、ラジオとか、トークショーはあまりやらないのだろう。本に注力してくれればこちらはうれしいけど。

 

きれいなシワの作り方

村田沙耶香『きれいなシワの作り方 ~淑女の思春期病』マガジンハウス、2015

 

村田沙耶香のエッセイ。これは、2013年から2015年までの間に執筆されていた分。あとがきを書いている時点で、36歳になったばかりだと書いている。

 

小説よりは、キチガイ度をかなり抑えて書いている。エッセイは現実だから、小説と同じレベルでやっているわけではないが。それにしても、こっちの方は、かなり控えめで、自分を出さないように注意している印象。たまに変なことをいう人という以外、周りの人は、このキチガイ性には気づかないかもしれない。

 

年齢要素を非常に強調している。30代半ばというくらい、そんなに大したことはないし、年をとったことを実感できない人もいるだろうが、村田沙耶香は、身体の変化でこのことを実感している。身体観察が趣味みたいな人なので、これはおもしろいだろう。

 

小説で期待していた本人の「中身」は、あまり出ていなかったけど、少し普通にあこがれているところはかわいい。

 

河鍋暁斎 その手に描けぬものなし

河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」サントリー美術館


サントリー美術館で今月末までかかっている河鍋暁斎の展覧会。休日に行ったが、そこそこに人は来ていて、けっこう人気。それはそうだろう。

展示スペースの制約があるのか、それほど大きな作品は少ない。何年か前にあった、大規模な暁斎の展覧会ほどの迫力ではない。しかし、その分、展示を工夫している。狩野派の絵師としての訓練、古画の模写作品、明治以後の変化、娘やコンドルの作品との対比など、絵師としての経歴や作風の変化がわかるようになっている。図録を買って、よく読めばよりよくわかったと思う。

鳥獣戯画を翻案した作品や、放屁をネタにした作品(これも鳥獣戯画を踏まえた描き方)などは、絵物語として楽しいし、龍や風神雷神図は、狩野派の絵であり、かつ暁斎の画風が出ている。前日の展覧会ほど混んでいなかったことも助かった。

奇想の系譜

「奇想の系譜」江戸絵画ミラクルワールド、東京都美術館


東京都美術館にかかっている、江戸絵画の展覧会。岩佐又兵衛狩野山雪伊藤若冲、曽我蕭白長沢芦雪歌川国芳白隠慧鶴、鈴木其一が並んでいる。これらの人々に注目した最初期のひとりが辻惟雄で、その著書が「奇想の系譜」なので、タイトルはそこから。

東京都美術館が性根を入れて集めているので、非常に豪華な展覧会。並んでいる絵にハズレがなく、ほぼ全部傑作。これをかき集めてきたことがすごいと思う。来年になったら、大阪の国立国際美術館に巡回するということだが、ここでみておいてよかった。

シルバーデーということで、65歳以上の客はただで見られる日。ただでさえ、老人ばかりなのに、あえて老人を無料にする意味がわからない。まあ、もっと昔、老人が少なかった時にこういうことを思いついたので、都立美術館はやめられずに続けているのだと思うが。

帰りにさんざん物販コーナーで買い物をして帰ってきた。図録も買っておけばよかった。