河鍋暁斎 その手に描けぬものなし

河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」サントリー美術館


サントリー美術館で今月末までかかっている河鍋暁斎の展覧会。休日に行ったが、そこそこに人は来ていて、けっこう人気。それはそうだろう。

展示スペースの制約があるのか、それほど大きな作品は少ない。何年か前にあった、大規模な暁斎の展覧会ほどの迫力ではない。しかし、その分、展示を工夫している。狩野派の絵師としての訓練、古画の模写作品、明治以後の変化、娘やコンドルの作品との対比など、絵師としての経歴や作風の変化がわかるようになっている。図録を買って、よく読めばよりよくわかったと思う。

鳥獣戯画を翻案した作品や、放屁をネタにした作品(これも鳥獣戯画を踏まえた描き方)などは、絵物語として楽しいし、龍や風神雷神図は、狩野派の絵であり、かつ暁斎の画風が出ている。前日の展覧会ほど混んでいなかったことも助かった。