私が食べた本
これは書評と著者の執筆に関するエッセイ本。『きれいなシワの作り方』より、こっちのほうがはるかに振り切っていて、おもしろい。
書評、解説で取り上げている本、自分が読んでいる本と一冊も重なっていない。あたりまえといえば、そうだが。しかし、取り上げている本のほとんどがセックスがらみ、性関係のものばかり。自分のことも書いている。著者は、「あなたのことについて書いてくれ」といわれても、それはかんたんにはできないが、「好きな本について書いてくれ」といわれると、聞かれてないことまで、何でも書いていしまう人。
後半は、自分が執筆した本や、群像新人賞、三島賞、芥川賞をもらったときのエッセイ。三島賞のほうが、エライような気がしていたが、芥川賞をもらったときの文章を読むと、ぜんぜんうれしさのレベルが違うようで、「夢のような特別の夜」と書いている。
たぶん、ラジオとか、トークショーはあまりやらないのだろう。本に注力してくれればこちらはうれしいけど。