きれいなシワの作り方

村田沙耶香『きれいなシワの作り方 ~淑女の思春期病』マガジンハウス、2015

 

村田沙耶香のエッセイ。これは、2013年から2015年までの間に執筆されていた分。あとがきを書いている時点で、36歳になったばかりだと書いている。

 

小説よりは、キチガイ度をかなり抑えて書いている。エッセイは現実だから、小説と同じレベルでやっているわけではないが。それにしても、こっちの方は、かなり控えめで、自分を出さないように注意している印象。たまに変なことをいう人という以外、周りの人は、このキチガイ性には気づかないかもしれない。

 

年齢要素を非常に強調している。30代半ばというくらい、そんなに大したことはないし、年をとったことを実感できない人もいるだろうが、村田沙耶香は、身体の変化でこのことを実感している。身体観察が趣味みたいな人なので、これはおもしろいだろう。

 

小説で期待していた本人の「中身」は、あまり出ていなかったけど、少し普通にあこがれているところはかわいい。