星が吸う水

村田沙耶香『星が吸う水』講談社、2013


表題作の「星が吸う水」と「ガマズミ航海」の2篇入っている。個人的には、「星が吸う水」のほうが好き。

主人公はいちおう「女」なのだが、性欲のありかたは、男のよう。「抜きたい」とか言っている。だからといって、相手は女がいいのではなく(もしそうだったら、レズの男役の話)、女として男で抜くのがいいというおはなし。

主人公の友達は、普通のストレートなので、男の愚痴を言ったり、男との付き合いに関して、主人公に説教してくる。主人公は明らかにウザがっているのだが、だからといってめんどうくさい友達を切り捨てるようなこともない。

主人公はそのへんはどうでもよく、男は抜きの材料くらいにしか思っていない。最後は、主人公の相手は「地球」になることになっている。地球とやるにはどうするかという、難問について考えている。別の友達は性欲自体がないと言っている。

ガマズミ航海のほうもよかったが、よりドライなほうが好き。