コンビニ人間

村田沙耶香コンビニ人間』文春文庫、2018


バカ売れしているという『コンビニ人間』、あっと言う間に読めた。やはり傑作。

村田沙耶香自身、本当に最近までコンビニバイト一直線で暮らしてきた人。究極的に機械的な場所。作者はそれが好きな人。

主人公となぜか同居することになる「白羽」は、社会から虐げられながら、それと同じことを他者に吐き出すことで生きている人。まあ、これはよくあること。主人公は、白羽のような人間を客観視してとらえられる人間。まあ、そのへんにいる虫と同じようなもの。白羽以外のもっとまともそうに見える人も、主人公にとっては大差ないともいえる。

結局主人公にとっては、コンビニと同化することが生きる術。他はどうでもいい。

巻末に中村文則の解説がついているが、蛇足。もうちょっとましなことは書けないものか