コンビニエンスストア様

村田沙耶香コンビニエンスストア様』文藝春秋、2016


これは電子書籍で、『ラヴレターズ』所収の掌編だけ切り出したもの。「コンビニへのラブレター」という形式で、『コンビニ人間』が出たので、それに追加のような形で書かれたのだろう。

著者にとって、コンビニは恋人で、コンビニ労働はセックスと同じ。それだと、コンビニは客すべてと交際していることになるが、そのあたりはコンビニから、「きみだけだよ」と言われていることになっている。

著者がコンビニを偏愛している理由は、「あなたがわたしを人間にしてくれたから」。まあ、コンビニバイトがなければ、著者は単にひきこもりになって終わりだろう。著者は最近コンビニバイトをやめたとどこかで読んだが、だいじょうぶなのだろうか。