支那人の文弱と保守

桑原隲蔵支那人の文弱と保守』


初出は大正5年(1915)。支那人は、文弱かつ保守だというのだが、文弱は多分に保守によるところが大きいように思われるので、文弱も多くは保守から出ているものだろう。

古今の書籍をひいて、戦争する気がまじめでなく、ことごとく旧套墨守形式主義だと言っている。それも単に清代がそうだというだけでなく、はるか以前からそうだと。

この見解そのものには反論できないのだが、今の中国人は文弱かどうかというとそうではなさそうだし、保守の側面もなくはないが、特定の側面では保守などどうでもいいように思っているようだ。

1945年までの戦争と、その後の歴史でいろんなことが変わったということなのか、それとも、桑原隲蔵の言っていることはある面では今でもあたっていると言えるのか、非常に微妙なところ。まあ、辛亥革命後すぐの時代では、このような意見に妥当性があるのは当然。