はじまりは大阪にあり

井上理津子『はじまりは大阪にあり』、ちくま文庫、2007

「大阪起源のもの」を集めたエッセイ。回転寿司、即席ラーメンあたりはまあ知ってた。あと、うどんすき、スーパーマーケットチェーンとかもまあわかる。しかしけっこう知らないものもいっぱいあり、「アニメ入りCM」=ヤン坊マー坊天気予報、視聴者参加トーク番組=「蝶々・雄二の夫婦善哉」、頒布会=千趣会クレパスサクラクレパス、国産ワイン=赤玉ポートワインなどなどは、知らなかったわ。

クレヨンとクレパスって、同じもので商品名が違うだけと思っていたら、モノ自体が違う(クレヨンは、ロウに顔料を混ぜたもの、クレパスはそれにパステルを加えたもの)というのも初耳。世界初の焼肉屋は千日前の「食道園」だと言っているが、焼肉屋の元祖なんて厳密に決められるのか?

1900年の「仁丹」の広告に、「諸ばい毒、りん病、リユーマチス新薬剤」とか書いてある。そんな病気に仁丹が効くわけないだろうと思うが、当時は梅毒が大流行だったらしい。ちなみに広告のモデルは帝国宰相ビスマルク。当然帽子なんてかぶってないし、禿頭である。

多少こじつけっぽい項目もあるが、よく調べて書いていると思う。さっと読めるところはよい。