カーネーション 43-48話

カーネーション」、43-48話 第8週「果報者」

カーネーションはあいかわらず展開が怒涛のよう。ダレている回がない。先週は、のっけから糸子一家が消えてしまい、どうなったのかと思ったら、父母姉妹は全員となり町の質屋に住み込みで移ってしまったとのこと。残ったのは、おばあちゃんの正司照枝と糸子だけ。これで小原呉服店は、小原洋裁店になりました。

それからあっという間に糸子の結婚。これも、ロマンスは一切無く、周りで勝手に決めて話をどんどん進めていく。糸子は「まあ、そんなもんか」という感じでそれを受け入れていく。結婚式(とうぜん昔風)の当日まで、仕事にかかりきりで家で伸びている糸子を運んでいくのが、奈津=栗山千明。このへんは持って行き方がうまいなあ。この週のタイトル「果報者」は、結婚相手がいいから果報者なのではなく、自分がいい人達に囲まれていることが果報者だという糸子の言葉から。これもいいタイトルの付け方だと思う。

そして、糸子が結婚してから、やっとダンナの勝=駿河太郎といろいろ話をして、「洋服店で周りからいびられてもよく働くいい子だから結婚したいと思った」と言われて、だんだん結婚のよさを実感していく。このあたりもリアリティがある。だいたい昔の結婚なんて、惚れたから結婚するというより、適当に釣り合いそうな相手と結婚してその後で共同生活をしながら夫婦としての実体を作っていったのだから、このドラマのようなパターンが一般的だったのだ。今のドラマは結婚をなんでもかんでも恋愛に結びつけすぎ。

あまりはやっていなかった店も、夫婦でやっていくうちにだんだん繁盛するようになっていく。この経過をさらっと流しているところもいいと思う。毎週毎週、話の展開が新鮮。ダンナは戦争のお陰で、早々に殺されるらしいところがあはれあはれ。