本屋さんで待ち合わせ

三浦しをん『本屋さんで待ち合わせ』大和書房、2012


三浦しをんの書評集。読売新聞の書評委員だったし、ほかの新聞やら何やらにもいろいろと書評を書いているので、それを集めたもの。

まあ、当然だが幅広く読んでいる。文芸中心だが、社会のいろいろなところに手が届くような読み方。著者は、政治的、社会的な主張はあまり強くしないように思っていたが、これを読むと内容は頑固なリベラルで、「差別、暴力絶対反対」と思っていることがわかる。まあ、BL好きな人で、「同性愛ダメ」と思っている人はいないだろうが・・・。

おもしろかったのは、「東海道四谷怪談」の紹介エッセイ。この話を読んでおらず、芝居も見ていないので、どういう話かやっとわかった。伊右衛門、めちゃくちゃ悪いのね。お茶ブランドの伊右衛門は、当然これを踏まえて名前をつけているはずなので、悪の極みがおいしいということなんだろう。

「おわりに」を書きながら、まだ足りないらしく、マンガ評を書いている。このマンガ評がいいので、マンガ評だけ書き溜めて出版してほしい。それに、またエッセイ集を出してくれないものか。バカっぽいエッセイがまた読みたいのに。