女の甲冑 来たり脱いだり毎日が戦なり。

ジェーン・スー『女の甲冑 着たり脱いだり毎日が戦なり。』文藝春秋、2006


ジェーン・スーのエッセイ。これが4冊目。これまでの本で、著者に外れがないことはわかっている。しかし、これはかなり途中で投げ出したくなった。

というのは、この本のネタが前半部分、何もわからない。著者自身が、「貴様女子」は概論、この本は各論、と言っているが、この本は、具体的な事物をネタにしていて、服、化粧、ハワイ、音楽、などなど、この本で取り上げていることのほとんどがわからない。

途中までとっつきようがなく、非常に困った。しかし、後半になるとわかるネタも出てきて、京都、男女の友情、恋愛、宝塚、読書などのネタは非常にたのしく読めた。まあ、もともとおもしろい人が書いているから、当然おもしろいのだが。

結局、女の世界というものが、男の世界とは離れたものだということが、事物を通じてわかったということ。著者はいろいろ知っている人だし、話のわかる人だが、住んでいる世界が違う。だから著者の言っていることはおもしろいが、わからないことはわからない。それがよくわかったという意味では、読んで非常によかった。