非リア王

カレー沢薫『非リア王講談社文庫、2019


カレー沢薫の新刊。これはコラムをまとめて本にしたもの。しかし一つのコラムではなく、「非リア王」「IT用語」「時流漂流」の三つのコラムを無理やり押し込んでいる。まあ、なんでもいいけど。

コラムそのものは、『ブスの本懐』ほどにはおもしろくはなく、ちょっと笑えるくらい。ソシャゲと違って、自分がはまり込めないネタだと、それほど情熱は湧いてこないようす。

しかし、この本の巻末に、なぜ著者が会社を辞めたのかが書いてあった。仕事が激増し(この2年間で著者は4冊くらい本を出している)、昼は会社で、夜は執筆というやり方では回せなくなり、とうとう会社で仕事時間に執筆をしなければならないはめになり、上司に注意されて、そのまま退職したということだ。このくらい執筆をしていれば、それも当然。9年間会社員生活を続けていたことには、本当におつかれさま。