僧堂教育論

鈴木大拙『僧堂教育論』


タイトルのままの内容、つまり僧堂教育をどのようにすべきかということが書いてあるのかと思ったらそうではなく、僧堂教育はありがたいということだけが書かれていて拍子抜けした。

著者も日本禅仏教など、ほとんど滅亡寸前であることは認めているのだが、僧堂教育だけは残り少ない貴重なものなので残してくれという。そこがどのように貴重なのかということを書いておいてほしかったのだが、それはほかを読めということらしい。

学校の掃除、器具の手入れ、賄い、草取り、運動場の整備などみな生徒にやらせよということだが、禅僧はそれでいいとして、子供の教育は無理だろう。僧の教育も、りっぱな人は現に出ているのは確かだが、大拙が生きていたときでも、そういうものがどれだけあったことか。