書を愛して書を持たず

小川未明『書を愛して書を持たず』


小川未明の本エッセイ。しかしこの文章、要するに蔵書は持たないと言っている。今のように図書館やら何やらにはあまり頼れない時代だが、だったら本は持たないというのはどうなのか。

金がなかった頃は蔵書の一部を売って新刊を買っていたと言っているので、昔は持っていた。たいていの本は文庫本で用を足すと言っている。本を買わないと言っているのではなく、ずっと持っていることはないということ。

しかし、その割に、汚れた本は読む気がしないとか、和綴じの本がいいとか、いろいろ注文がうるさい。まあ、お嬢様の蒐書趣味みたいなもの。いちいちえらそう。