女人訓戒

太宰治『女人訓戒』


女が何々を食べたり身につけたりすると、その何々に成り代わったり、女にその性質が身についたりする、というバカ話。

辰野隆の本に出てくる話として、うさぎの目を人間に移植したら、移植された女は猟師を恐れるようになった、という話が冒頭に置かれている。兎の眼は人間に移植できないし、兎の眼が猟師を恐れるわけはない。まあ、その程度のことは太宰もわかっているわけで、その後、肌を白くしたいからイカをたくさん食べた女とか、狐のえりまきをつけたらずるくなった女とか、そういう話が出るが、なんというか、ネタが尽きていたのだろうか。

最後に「教訓 女性はたしなみを忘れてはならぬ」と書いてあって、なんだかねぇという気がする。まあ、こういうのもあるのはしかたがない。