狐憑

中島敦狐憑


これは南洋のどこかのお話。漢学、まったく関係はない。しかしおもしろい。

主人公のシャク、ただの平凡な男だったのが、狐が憑いて、物語を語るようになった。最初は神のご託宣みたいなことだったのが、話がおもしろいので創作でもいいということになり、みんな物語を楽しみにしているが、やがて創作力は枯れ、シャクはみなさんに食べられましたというおはなし。

最後にホメロスのことが書いてあるが、詩人というか文芸創作家の運命というようなもの。中島敦、やはりえらい。