風波

魯迅(井上紅梅訳)『風波』


これも、魯迅の革命後の農村風景を描いた作。注はないので、場所はわからない。

作中の村には特別な習慣があり、子供が生まれると秤にかけて、その斤目で名前をつける。だから「七斤ねえさん」とか、「七斤」とかが登場人物。ほかの名前はない。

革命など遠いような農村だが、革命の足音は聞こえていて、それは辮子を剪るかどうかということ。それだけ。天子様のことは、遠くに聞こえる汽笛のようなもの。

それ以外のことは何も変わらない田舎の社会。革命、どうでもいいことでしかない。