2018-12-29 仏教史家に一言す 本 #日本史 津田左右吉『仏教史家に一言す』 これは小文。しかし津田左右吉の立場はよく現れている。 基本的には、仏教史家が仏教のよい影響だけを強調しているが、それは間違っているということ。津田左右吉がいうのは、歴史というのは公平なものでなければならないということ。利不利、立場によって、書き方を変えるのはなし。 日本の歴史が儒教、国学によって占められていた時には、仏教の影響は不当に低いものとされていたが、いま(19世紀末)はそうではない。しかし、仏教史家がかえって、仏教のよい点だけを言い過ぎているとする。そのように考える根拠はこの文章に出ていないことが残念。