支那猥談

桑原隲蔵支那猥談』


この文章、猥談と書いてあるのでなんだろうと思ったら、今の意味での猥談ではぜんぜんない。中国と中国人の欠点を指摘するというようなもの。

1926年の文章なので、日本と中国の間が本格的には悪くなってはいないが、あまりよい状態ではなかった時期。この文、中国人の特質をリチャード(リチャード何なのかは書いていない)氏の議論をひいて示しているが、記憶力はいいが、その分判断力や推理力に欠けており、批判的精神なし、原因と結果の関係がわからない、とぼろくそに言っている。

北京の車夫が、客の言うことを聞かずに猪突猛進するのも、学者には解釈ばかりあって批判が欠けていると言っている。しかも政治家も同じであると。

孫文の日本批判には理がないと断じており、日本の行為を侵略とするのは間違いだという。この頃としては、おそらくごく普通の議論。