端午節

魯迅端午節』


これも、「頭髪の故事」と似たような題材。ただし、こちらは夫婦関係というか、男女の地位がネタ。

主人公はこれも中学の先生だが、妻に対して「おい」としか言わない。その主人公が、給料を持って帰らないのに、妻に対して節句の払いをしろという。これがむちゃなことは主人公もわかっている。妻は、「宝くじでも買えば」という。これが絶望から出たことは主人公もわかっているのだが、それでも妻を無教育と決めつけて終わりにしてしまう。

孔乙巳のようでもあり、中国の伝統的なだめ男の写しのようでもある。たぶん、これも魯迅自身のことを少し言っている含みがあるのだろう。