ミッションスクールになぜ美人が多いのか

井上章一、郭南燕、川村信三『ミッションスクールになぜ美人が多いのか』朝日新書、2018


井上章一の新刊。このタイトルで即買いした。

内容はタイトルの通り。井上章一は、「自分はミッションスクールに美人が多いと思っていたし、仏教系女子校もそう思っている。さらにファッション雑誌に出てくる読者モデルの出身校は半分くらいキリスト教系」という主張で、キリスト教と美人イメージの関係を述べている。

南燕の章は、建学や教育の方針と美人の関連みたいな話で、これはあまり関係なさそう。

川村信三はキリスト教史の人で、明治以後のキリスト教受容史の中で、キリスト教系学校がお嬢様学校化した理由について述べている。

かなり勉強になったが、直接的にはお嬢様とキリスト教の関係が一番おもしろかった。キリスト教が人をお嬢様にするのではなく、お嬢様はもともとお嬢様であり、キリスト教学校はお嬢様を守るもの。変な虫を寄せ付けず、貞操を身に着けさせるもの。そういうことになったのは、明治政府がキリスト教学校をまともな学校として認めなかったので、キリスト教は学校を布教の拠点からお嬢様養成に方針転換したから。