転生!太宰治

佐藤友哉『転生!太宰治 転生して、すみません』星海社、2018


どこかに書評が出ていて、ちょっとおもしろそうだったので読んでみた。これはけっこうおもしろい。

いきなり太宰治が現代に転生、自分のことを拾ってくれた女といきなり心中(両方、生き残る)というような話。

太宰治の作品をめちゃめちゃ読んでいるというわけではないので、これがどのくらい太宰っぽいのか、きちんと言えないが、いかにも太宰なら言いそうなことでちゃんと統一されている。

とりあえず生きている太宰治が何になるかというと、作家プロデューサーというかアイドルプロデューサー。これもあってもおかしくない話。これを通じて、昔の文壇と今の文壇というか、作家養成システムの業界話になっている。

講談社の「群像」編集部とか、見てきたように書いているが、著者は実際に「群像」と付き合いがあるので実話だろう。まあ、あまりひどいことは書いていない。

これを読んでとりあえず「アイマス」を見てみる気になった。サクッと読めたのもよし。