ミシマの警告

適菜収『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』講談社+α新書、2015


三島由紀夫をネタにして、保守主義を後押しする本。思っていたよりおもしろかった。

三島由紀夫が保守だったという理由は、三島が反近代だから。保守とは反近代のこと。だから三島は幻想の中の日本の「真の姿」を求めていたし、天皇志向もそのため。

ためになったのは、「レッサーパンダ」のネタがわかったこと。Lesser pandaであり、「ジャイアントパンダではない、偽物パンダ」という意味。しかし、もとはジャイアントパンダではなく、レッサーパンダのほうが日本ではパンダ扱いされていた。ジャイアントパンダが現れてから、パンダの定義が変わってしまった。

いまの「保守」もそれと同じだというのが著者の言。それはそうかもしれない。後半は、相変わらず橋下徹を罵倒するネタ。これはこれでよし。