日本4.0
エドワード・ルトワック(奥山真司訳)『日本4.0 国家戦略の新しいリアル』文春新書、2018
ルトワックの新著。これも訳者によるインタビューをまとめたもの。いろいろなところに話が飛ぶが、座談のおもしろさがよく出た本になっている。
後半の、戦争形態の変化とその応用としての米中関係論が特におもしろく、ルトワックも興が乗っている。結局戦争などは簡単にはできないので、テクノロジーと経済で相手をねじ伏せろという議論。実際にアメリカがやっていることはそのとおりで、対中貿易戦争の評判がアメリカでそんなに悪くないのはそのため。トランプは、国内政治のことも気にしているとしても、大局的には戦略的に賢い方向に向かっているというのは、そんなに外していない意見。
このインタビューは2017年10月に行われていて、それに論文や講演録の内容を足したものだという。出版前に原稿チェックはしているので、新しい内容は補充されているだろうが、現在までのことのきちんとした説明になっている。やはりエライ人はエライ。