世界経済入門

野口悠紀雄『世界経済入門』講談社現代新書、2018


野口悠紀雄の、「経済学を知らない人でも読める、世界経済入門」本。以前に出た『日本経済入門』の姉妹編。

前著と同じく、特徴は「とにかく図示」。図版が非常にたくさんあって、視覚的にわかる。世界経済の中の日本経済の章に始まって、貿易で2章、金融で1章、あとはアメリカ、中国、その他アジア、EUの章がある。

「事実再認識」だけでなく、ちゃんと新しい知見が盛り込まれている。アメリカでフリーランサーがどのくらいいるのか、ユーロ問題についてドイツ責任論はどこまで確かなのか、イギリスのEU離脱の実質的な影響はどうなのかということについて、事実をもとにまともな説明が載っている。適当な誰かが言ったことではないので、本当にありがたい。

一度読めばだいたいのことはわかるが、二度、三度読んで内容をよく咀嚼すべき本。この本、野口悠紀雄は40年生まれなので、78歳で書いている。驚異的なこと。