高大接続改革

山内太地、本間正人『高大接続改革-変わる入試と教育システム』ちくま新書、2016


高大接続改革で、こういう人間を作ることをめざしています、という本。まあ、めざすのはいいと思うが、ここに書いてあることをどれだけの人ができるの?という疑問が・・・。

積極的な学びとか、入試とカリキュラムを変えてできることなのかどうか。そんなことができるのだったら、いまごろ、アメリカやヨーロッパの人間はみなスーパーマンになっている。

バカをどう教育してもどうにもならないので、やる気がない人間が入試を改革したところでどうにもならない。アクティブラーニングが通じるのは、やる気と能力がある一部の人間だけ。根本的に、「意識高い系」を増やすだけだろう。

だいたい教員の目標と能力、訓練ができていなければ、何をやってもムダだと思うが、この本の著者、現実の高校教育や大学教育がなぜどうにもなっていないのか、まともに考えていないのではないか?できている人だけを見て、「他の人もこれをマネしろ」というのはもともとダメな考え方。ちゃんと対象を決めて、コストと実績を考えてものを見なければ。