五箇条の誓文で解く日本史

片山杜秀『「五箇条の誓文」で解く日本史』NHK出版新書、2018


五箇条の誓文をベースに戦前期日本の歴史について考えるという本。まあ、五箇条の誓文、いちおう宣言文ではあるし、いろいろ活用されていたことは事実。しかし、ここに書いてあること、けっこう既存の文献に出てきていることではないの?

明治憲法体制が分割された諸権力の調整過程だったというのは、すでに出ている話だし、「無責任の体系」論もあった。「デモクラシーこそ国民総動員体制の基盤」というのも、めずらしい議論ではない。

この本が新書だから悪いのか?他の著者の本はもうちょっとまともなことが書いてあるのだろうか。これだけではなんとも言えないが。