サバイブ

麻生羽呂、篠原かをり『サバイブ 強くなければ、生き残れない』ダイヤモンド社、2017


『LIFE』の続編にあたる本。従って、これも形式としては共著になっているが、篠原かをりがマンガ部分のネタも提供しているので、実質的には篠原の本。

生物雑学よりも、篠原が生物の生態を通じて、人間に対して持っている興味の方がおもしろい。生物ネタ自体は、ちゃんと調べているので、これはこれでおもしろい。

家畜は当然として、人工的な飼育環境におかれた動物は、野生の時とは行動が変わっている種が多いのだ。人間が生態を変えているわけだから、当然といえば当然なのだが。

本当は、個別の生物の生態より、それを俯瞰して見て、そこから人間について論じるほうがいいと思うけど、それは専門の生物学者でないと無理だろう。著者は、このネタを十分に使えていると思うが、これから生物学者にはならないと思うので、生物ネタを持ちながら、どこかで分野の開拓をしていくのだろう。別ネタでも十分おもしろい本が書けると思う。