人はなぜ不倫をするのか

亀山早苗『人はなぜ不倫をするのか』SBクリエイティブ、2016


不倫ものライターの亀山早苗の対談本。対談の相手は、山元大輔、竹内久美子、丸山宗利、上野千鶴子、島田裕己、宋美玄、福島哲夫、池谷裕二。「専門家」といっているが、たしかに学者ではない人もたくさんいるし、専門はばらばら。専門性のレベルも違い、これをひとまとめにされても。

おもしろかったのは、上野千鶴子との対談。これは半分、上野千鶴子が自分語りをする内容になっており、簡単にいえば、自分がやりたいことを子供の時から親に抑圧されてきた、そういうのはいやなので、学問と社会運動をしましたというようなこと。要するに私怨。まあ、動機が私怨でもなんでもいいが、不倫を男のせいということにしておきたい上野千鶴子の立場は笑うしかない。もっとも、上野自身は、「結婚は守れない誓約なので、自分はしない」といっているので、そこは筋を通している。

あとは、昆虫とかなんとかは、人間から離れすぎ。文系の学問は決定的なことはいえないし、竹内久美子とかは、適当なことをいいすぎ。

ほとんどの人は、自分のいいたいことを、自分の知っていることに無理やり当てはめすぎという感じ。専門性もたりないし。池谷裕二(薬学は、人間について言っていることはどうかとは思うが、学問的な蓄積をベースにしていっている点だけは認める。

それなりにはおもしろいが、人の信頼性を判定できないと、よくないことを信じそうな。