ブスのたしなみ

カレー沢薫『ブスのたしなみ』太田出版、2017


年末に出た『ブスの本懐』の第二弾。『ブスの本懐』は本当に爆笑させられたが、あれは60回か70回くらい読んだので、内容覚えてしまった。なのでこっちには驚くことは書いてない。しかし、著者の筆先はするどすぎる。

前著には「BB」は、「ナイフみたいにとがりすぎて持つところがない」と書かれていたが、著者その人がそうなのだ。全身槍の穂先のような人。11月22日(1982年)生まれの35歳ということだが、このセンスがどこから出てきたのか、いつから著者がこういう人になったのか、見当もつかない。

前著とネタかぶりはあるのだが、基本的にエッセイなので、かぶっても問題ない。同じネタでもいくらでもおもしろくできるのだ。それにセンスのするどさには限界がないので、グサグサと核心をついてくる。ぜんぜん切っ先が鈍っていない。おそろしすぎる。

ネット連載の方も読んでいるのだが、こっちのほうがおもしろい。ふつうに働いて、これだけのものが書けている。この社会にこんな人がいることがものすごい。