朝鮮半島終焉の舞台裏

高橋洋一朝鮮半島 終焉の舞台裏」扶桑社新書、2017


高橋洋一の、朝鮮半島戦争本。主要な論点について、大体の見通しを言っている。この問題の専門家ではないので、部分的におかしいところもない事はないが、この本では、そこまで生活は求められていないので、方向性が分かれば良い。

その点については、基本的にはおかしな事は言ってない。もはやここに来てしまったら、交渉だなんだかんだと言っている場合ではないと言うこと。

しかし、やはりまだよくわからないこともあり、それは中国がどうするかと言うこと。中国とアメリカで密約で話をつけるのかどうか、つけるとしてどこまでつけるのか。これは、政府の機密情報でもなければ、簡単にはわからないだろう。

また、開戦の理由やタイミングも、簡単にはわからないこと。平時に無警告で攻撃するのが、1番良いのだが、それでは今後のことに差し支えがあるかもしれないし、聞こえも良くない。では、国連で何かするのかと言うと、それ自体が北朝鮮に準備をさせることになるので、どうするかは非常に難しい。一方で、北朝鮮のミサイル開発ははどんどん進んでいるので、交渉や下準備にいつまでもズルズル時間を費やすわけにはいかないことの事実。したがって、やはり理由を明確にしないで、予防的に攻撃し、理由は後から付けると言うやり方の方が良いような気もする。著者は、そこは国連安保理に位置を測ってからにするはずだと言っている。

わからないことが多い状態で、こういう本が出たことも、タイミングとしては良い。今後の見通しをつけるために必要なこと。