政治が危ない

御厨貴、芹川洋一『政治が危ない』日本経済新聞出版社、2016


御厨貴と日経の芹川洋一は、東大法学部三谷ゼミの同級生。この対談本は2冊目。これはひじょうにおもしろい。

まず、政治家同士の権力闘争、政治家論、これがおもしろい。二人ともそんなに年がいっている人ではないが、ちゃんと昔の政治家を知っている人は違う。どの政治家がどういう人だったのか、本を読んでいる人はよく知っている。なにより、二人の話がちょうどうまく噛み合っている。これは昔からの友人でなければできないこと。

憲法論やメディア論をぶっている後半も引き続きおもしろい。特にメディア論は昔のジャーナリスト論がおもしろい。いろんなひとがいて、多士済済だった。今もいるのかもしれないが、敵味方に分かれたような世界ではなかなかおもしろい人は出てこない。

社会を知り、歴史を知っている人の話はいつもおもしろい。座談の魅力も十分に出ている。そんなに長くはないが、そこもいいところ。