天理図書館古典の至宝

天理図書館古典の至宝」、天理参考館、2017.9.24


天理図書館に収蔵されている古典籍の展覧会。9月16日から11月27日までの間に三回、展示替えがある。とても全部行くのは無理。

この天理参考館という施設、基本的には、民俗資料と考古資料専門の博物館。この施設が非常に新しく、収蔵品もきれいなものが揃えられ、展示の方法もよく考えられている。大学付属の博物館だが、国立、公立ではない施設で、これだけのものは日本でもほとんどないのではないか。関西には国立民族学博物館があるから、目立たないのかもしれないが、このためだけに天理まで足を運ぶ価値がある施設。

この期間の展示品の目玉は、古事記日本書紀藤原定家の日記、名月抄もあった。古典学者ではないので、直接価値はわからないが、見ていておもしろかったのは、「小男の草子絵巻」という絵巻物。これは室町時代の写本だが、身長50センチの小男が、美女に懸想して歌を贈り、その歌に感銘を受けた美女は男の妻になる。そうすると、美女が小槌を授かり、それで小男を打つと、小男は2メートル以上の偉丈夫になり、関白に目通りを許され、筑紫の国を賜って幸せに暮らしたという話。一寸法師の元ネタだ。昔から、背の低い男はあまりモテないものだったらしい。

あとは西鶴芭蕉の自筆本。芭蕉は、こんなに絵がうまいとは知らなかった。芭蕉曽良が二人で歩いているところの肖像とか、見ていて楽しい。この施設の展示品の解説本も買って帰ったので、たのしみ。