イスラーム入門
中田考『イスラーム入門 文明の共存を考えるための99の扉』集英社新書、2017
基本的に知らないことを知ろうとすると、新書は逆に読みにくくなることがあるが、この本もその一つ。最初の「法の宗教」の章は、初めのうちは、ムハンマド、啓典の民、クルアーン、ハディース、シャリーアというような基本的なことから書かれているが、法学派ごとの違いになると、非常にわかりにくくなる。もともとイスラムの法体系が頭にあらかじめ入っていないと、法学派の違いはわからない。
2章は五行六信、マッカ、カアバ神殿のような具体的なことになるので、こちらは頭に入るが、3章の人名、4章の現代事象は、固有名詞ばかりなので、簡単には頭に入らない部分が多い。現在の話はいったん置いて、イスラム史の基本的な本を読まないとわからない。