えろほんの真実

『ましまろ本舗プレゼンツ えろほんの真実』2015


これは去年の冬コミで拾った本だと思うが、よくみると2015年の冬コミの本。著者は書店員のようだ。この本の前に「エロ本の広告」という本を出して、そちらは完売。

この本も基本的には、エロ本の広告がどういうものかを紹介している。現在のエロ本広告は大別して三種類。「出会い系」「医療系」「自社広告・連合広告他」。最後の自社広告・連合広告は、スペースが埋まらなかった場合の穴埋め。基本的には「出会い系」がほとんどで、しかもその内容は、「エロ電話」。そういうものがいまどきあるのかと思うが、携帯電話はかけ放題なので、これが成り立つらしい。出てくるのはサクラで、かけるためには金を払って、ポイントなどを買うことが必要。「医療系」は、包茎手術とか、ハゲ治療とか。

出会い系サイトに誘導する手口もいろいろあり、指定されたアドレスに空メールを送れというようなものなど。もちろん、メールを送るとメールアドレスは売られてしまうので、大量に迷惑メールが来るというもの。こんなものでも効果があるから、広告が出ている。

エロ本の内容は、広告以外は、ほぼ全部「AVの紹介」。紙そのものにはAVメーカーからもらってきた宣材写真しかなく、本体は付録DVDの方。異様に熟女ものが多いので、そういう年齢の方が買っていらっしゃる。そうではないエロ本の例としては、「スーパー写真塾」「週刊大衆ヴィーナス」の2誌があげられているのみ。前者は写真投稿誌だし、後者はほぼゴシップ誌

2002年や2004年のエロ本が比較例として紹介されていて、こちらは純粋にエロ写真誌。このころまではそういうものがあったが、DVDに駆逐されちゃった。DVD自体が売れなくなっているというので、内容を適当に編集して雑誌の付録にしているのだ。

コンビニのエロ本はだいたいこの通りだと思うが、書店なら、もっと部数の少ないエロ本、つまりSM雑誌とか、エロ小説誌とかあるだろう、と思ったら、巻末に休刊誌、創刊誌、名称変更その他があった雑誌(2015年)があげてあった。休刊誌が多いし、リニューアルも多い。リニューアルされた雑誌が休刊というのも多い。2次元は別なのでは?と思ったが、エロマンガ誌も休刊は多い。「本当にあったHな話」「別冊本当にあったHな話」って、休刊になってたのね。昔はよく棚にあったとおもったが。

タイトルだけではよくわからないものもあるが、だいたいはDVD誌。「今年の不健全図書」一覧がついていて、これは笑えた。エロ本自体が絶滅危惧種ということだが、ネットでエロ動画がこれだけ流通しているのだから、当然のこと。本屋でエロ本(エロDVD?)を買おうという人は、詐欺広告にひっかかりそうなおじいさんしかいないのだ。それでもコンビニにはたいていエロ本コーナーがあるのだから、需要はある。いつまで持つのかは知らないが。