別冊東京エスカレーター vol.06

『別冊東京エスカレーター vol.06 メーカー判別読本』2016


これはたぶん、去年の冬コミで拾った本。著者はエスカレーターファンで、この本は、エスカレーターのメーカーをどうやって見分けるかという内容。

日本にあるエスカレーターのメーカーは、三菱電機日立ビルシステム東芝エレベータオーチス・エレベータ・カンパニー、フジテックシンドラーエレベータの6社。ほかはマイナーな会社が5社。

主要6社の見分け方が出ているのだが、「デマケーションライン」(ステップの周囲に塗られた黄色の線)、手すりライン(手すりの形)、ランディングプレート(降り口、乗り口の板の模様)の3つ。しかし、これも完璧ではなく、新しいものはこれでは見分けられないとのこと。

エスカレーターなど、商業ビルにはいくらでもあり、デパート、ホテルなど、けっこうありそうなところはいいが、外から見てあるかないかがわかるものではない。しかも基本的にオーダーメイドでちょっとずつ違う。

一番印象的なのは、オーチス製の木製エスカレーター。写真はニューヨークのメイシーズにあるものだが、世界で4箇所、NY、ロンドン、ベルギー(ブリュッセル?)、シドニーにしかない。当然かなりの年代物だが、これは美しい。

あと、ステップをエスカレーターから外した状態での写真がある。これは著者が、「マツコの知らない世界」に出演した時に、三菱電機東芝エレベータの担当者が実際に出演して、部品を持ってきた。部品としてどうなっているのか、取り外してみないとわからないものなので、これはレア。

尋常ではない、著者のエスカレーター愛はわかった。ついでに、エスカレーター小説というものが紹介されている。ニコルソン・ベイカー岸本佐知子訳)『中二階』(白水社)。どうやって見つけてきたのかは知らない。